メンタルフレンド 【きん】

「先生と生徒」のような「指導する人・される人」といった関係性に子どもが拒否反応を示しがちになっている場合や、同世代の子たちとの間ではなかなか関係性がうまく築けずに孤立しがちな場合であっても、子どもの成長にとって、家族以外の人との「かかわり」はやはり大切である。

そのための支援活動が「メンタルフレンド事業」であるが、子どもとの「基本的な信頼関係(Basic Trust)」を築けないことには始まらない。

支援者に対して、「この人となら話せそうだな」「この人ならまた来てもらってもいいかな」といった感覚をまずは子ども自身が持てるかどうか。

その上で、「指導」によって上から引っ張り上げようとするのでもなく、「受容」によって下から支えようとするだけでもない、「斜めの関係」を築けるかどうかが鍵となってくる。

「この人のこういうところっていいな」「近い将来、自分がこういう風になれたらいいな」といった「共感」や「憧れ」を抱きながら、その背中を追いかけようとする自律的・自発的な営みが子どもを大きく成長させるのだろう。

メンタルフレンドとしては、子どもたちに年齢が近い「お兄さん」「お姉さん」的な人が理想的だ。でも、私たち夫婦自身はさすがにもう「お兄さん」「お姉さん」という歳ではないので、大学生などに「サポーター」として関わってもらう準備を進めていかないといけない。

訪問することになった学生さんたちにとっても貴重な経験となるはずだし、将来、教師になりたいと考えている人や、臨床心理士社会福祉士精神保健福祉士などの資格取得を目指している人たちにも是非関わってほしいと思う。